井上誠之, "作業内容の違いがゲーミフィケーションに及ぼす影響," , 2019年3月.
ID 169
分類 学位論文・卒論・特別研究
タグ
表題 (title) 作業内容の違いがゲーミフィケーションに及ぼす影響
表題 (英文)
著者名 (author) 井上 誠之
英文著者名 (author)
キー (key) Masayuki Inoue
刊行月 (month) 3
出版年 (year) 2019
刊行形式 (howpublished)
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付加情報 (note)
注釈 (annote)
内容梗概 (abstract) 近年,作業の効率化や作業者のモチベーションの向上を図る手段として,ゲーミフィケーションが注目されている.ゲーミフィケーションとは社会活動や教育活動に娯楽要素を組み込むことで,作業者の意欲向上,持続を促し作業効率を上昇させる手法である.一ノ瀬と上野はレシートの打ち込み作業をゲーミフィケーションを用いたシステムを利用した場合と利用しなかった場合で行い,作業速度や作業精度に与える影響を研究した.ゲーミフィケーションで用いられる娯楽要素には様々な種類が存在するが,先行研究では``他者との競争'',``自分との競争'',``収集''を対象としている.その結果,元々の作業効率が悪い人に対しては効率を向上させる可能性があるが,元々の作業効率が良い人に対してはゲーミフィケーションが負の影響を及ぼす可能性が示唆された.これらの結果をうまく利用すれば各作業者ごとに適切なゲーミフィケーションを利用し効率化やモチベーションの向上を図ることができると考えられる.
しかし実際の作業はレシートの入力のような単純作業ではなく,問題を自ら考え解決する思考作業であることも多い.
単純作業と思考作業では,ゲーミフィケーションが作業速度や作業精度に及ぼす影響にも差異が生じると考えられるが,実際に研究されたデータはない.そこで本研究では,条件式の正誤判定という思考作業に対してゲーミフィケーションを先行研究と同じ娯楽要素を用いて適応し,作業速度や作業精度にどのような影響を与えるのかを調査する.またその結果を単純作業の場合と比較し,単純作業と思考作業それぞれに適したゲーミフィケーションを明らかにする.これらを明らかにすることで,ゲーミフィケーションを作業内容によって使い分けることが効率的であるか明確になり,今後のゲーミフィケーション利用に応用できるという利点がある.本研究の結果,作業速度が遅く作業精度も低い人に対してはすべての娯楽要素で作業速度が約18〜26%向上するのに対し,作業速度が速く作業精度が低い人に対しては作業速度が約6.5〜8.5%低下するなど負の影響を及ぼすこともあることが分かった.このことからゲーミフィケーションは作業能力が低い人に対しては効率を向上させるが,作業能力が高い人に対しては効率を低下させると結論付けられる.
しかし,作業能力が高い人にも``他人との競争''など特定の娯楽要素は効率を向上させることが分かった.一ノ瀬と上野の研究と比較した結果,ゲーミフィケーションは単純作業より思考作業に対してより大きな影響を及ぼすことが分かった.さらに思考作業にのみ,または単純作業にのみゲーミフィケーションが有効である作業者の特徴があることも示された.以上のことから,思考を伴う作業において,ゲーミフィケーションが作業意欲・作業効率に与える影響は単純作業に比べ大きいが,その影響は作業者の元々の能力に依存するということが結論付けられた.
論文電子ファイル 155.pdf (application/pdf) [一般閲覧可]
BiBTeXエントリ
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