井原, "桃栽培の摘蕾における熟練者と非熟練者の視線比較," , 2024年3月.
ID 228
分類 学位論文・卒論・特別研究
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表題 (title) 桃栽培の摘蕾における熟練者と非熟練者の視線比較
表題 (英文)
著者名 (author) 井原 実咲
英文著者名 (author)
キー (key)
刊行月 (month) 3
出版年 (year) 2024
刊行形式 (howpublished)
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付加情報 (note)
注釈 (annote)
内容梗概 (abstract) 岡山県は白桃の生産量が日本一であり,熟練の生産者は高品質な桃を安定的に生産する知識を有している.生産者の高齢化により,生産者の減少が進む中で知識を次世代に伝達する必要があるが,熟練者の持つ知識は言葉に表現できない知識( 暗黙知)である場合が多く,桃生産者においても熟練者から新規就農者などの非熟練者への知識の伝達が難しい.本研究では,知識伝達が難しい桃生産工程の1 つである摘蕾に着目する.摘蕾とは,果実を芽の段階で枝から除去することで残った実に養分を集中させるための作業である.視線計測は熟練者の特徴を抽出する手段として多くの研究で用いられている.だが,木で生成される果物に対する視線計測を行っている研究がないため,本研究では,桃に対する視線計測が熟練者の特徴を分析する手段として有用なのか確かめることを目的とする.その判断を行うため,摘蕾における熟練者と非熟練者の視線移動を比較し,違いを明らかにすることで,非熟練者への指導材料となる熟練者特有の視線の動きを発見する.実験では,岡山県の総社もも生産組合の代表の方を熟練者,経験3 か月の方を非熟練者として,商品を育てている木に対して実際に摘蕾をする際の視線移動を計測した.熟練者は非熟練者と比較してより俯瞰的に見るという仮説に対し,注視の範囲や着眼点の差を表すと考えられる3 つの指標(1)3 次元距離,(2)1 次元距離,(3)AOI 数を比較した.3 次元距離は連続する2 フレーム間の視線移動距離を意味し,1 次元距離は各軸における連続する2 フレーム間の視線移動距離を意味する.また,AOI 数とは,視界中の3 次元空間を直方体に分割し,実際に注視した直方体の数を意味する.タスク条件の近い2 タスクを比較した結果,熟練者の方が非熟練者より3 次元距離,1 次元距離ともに長い割合が高く,AOI 数も多かった.そのため,熟練者は非熟練者と比較してより広範囲を見て摘蕾を行っていると考えられる.この結果は,桃栽培農家の熟練者の特徴を分析する手段として視線移動を計測することが有用である可能性を示唆している.
論文電子ファイル 2023thesis_ihara.pdf (application/pdf) [一般閲覧可]
BiBTeXエントリ
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